不妊と筋腫の関係
子宮筋腫があると妊娠にしくい
筋腫核出術を受けた後に妊娠するケースは、たくさんあります。
現在、不妊に悩んでいるカップルの割合は、10組に1組と言われています。
不妊にはさまざまな要因が考えられますが、女性の出産年齢が上昇していることもあり不妊に悩む人は増える傾向にあります。
女性の体にかける不妊の原因として多いのは、子宮内膜症や卵管障害。
子宮筋腫そのものが不妊にどれだけ影響しているのか、まだわかっていません。
しかし、子宮内腔に突出た粘膜下筋腫、子宮内腔を変形させた筋層内筋腫や大きな漿膜下筋腫、たくさん点在した筋腫などが、着床障害を引き起こす可能性はあります。
また、卵管の近くにある筋腫が卵管を圧迫し、卵子の通過を妨げることもあります。
実際、不妊を訴えていた患者さんが、筋腫核出術を行なった後に妊娠するケースはたくさんあります。では、筋腫があると不妊になるかといえば、そうともいい切れません。
筋腫があっても、普通に妊娠・出産する人は大勢います。
子宮筋腫があると、絶対に妊娠でないということもなければ、手術をすれば必ず妊娠できるともいえないのです。
現段階では、筋腫以外に不妊の原因が考えられない人は手術を行ない、手術後の経過の中で見ていくことになります。
子宮内腔に大きく突出された粘膜下筋腫、大きな筋層内筋腫や大きな漿膜下筋腫多発した筋腫などは、子宮内腔を変形させ、受精卵の着床を妨げる可能性があります。
妊娠を希望するかどうかは、子宮筋腫の治療法を考える上でもっとも大きなポイントです。
子宮筋腫の治療法を選ぶとき、症状がない場合は経過観察、強い症状があって生活に支障を及ぼすような場合は、手術となるのが一般的です。
しかし、妊娠を希望する人は、今現在症状がなくても、今後筋腫が妊娠に及ぼす影響を考えて筋腫核出術を検討する必要があります。
そこで迷うのが、子どもを作るのが先か、手術が先かということ。
例えば、筋腫が7〜8cmを超える大きさの場合は、すぐに赤ちゃんが欲しくても、核出術を受けてから妊娠を考えて方がいいです。
妊娠すると女性ホルモンの分泌が増え、筋腫が大きくなったり、変性を起こす可能性があります。
大きな筋腫があると、流産や早産を起こしやすいです。
大きな筋腫であれば、将来の妊娠のためにも、核出術を受けた方がいいです。
ただ、核出術かた妊娠までの期間が長いと、筋腫が再発する可能性があります。
定期診察を欠かさず、可能であれば早めに妊娠を考えましょう。
筋腫がかなり大きいとか、数が多くて核出が難しい場合は、GnRHアゴニストを使って筋腫を小さくしてから妊娠までの間隔ですが、核出後月経が最低2〜3回ほどあれば、妊娠を試みても大丈夫なケースもあります。
手術の状況によっても異なるので、医師に確認してください。
通常半年くらいが一般的です。
筋腫が小さい(5〜6cm未満)は赤ちゃんが先。
すぐに妊娠が希望していて筋腫が7〜8cm以上では、核出が先。
すぐにできないが、いずれ妊娠を希望している場合は、>経過観察の後核出が先。これらは、あくまでも一般的な目安で、患者さんの状態によってケースバイケースです。
判断が難しいケース
年齢が高い場合。
筋腫の状態から見て核出を先にした方がよいと考えられる場合でも
年齢が高い場合は、妊娠時期を先送りすることが、得策とはいえないこともあります。
医師とよく相談したうえで判断してください。
不妊症や習慣流産の場合
不妊期間が長い人や、何回も続けて洗浄している人は、すぐに筋腫を核出すればいいというものではありません。
まず、筋腫以外に不妊や習慣流産を引き起こす要因がないかどうかを調べるころが先決。
とくに原因が見当たらず、筋腫が子宮内腔を変形させているようなら、核出も有効かもしれません。
しかし、習慣流産の場合は、筋腫の影響が不妊以上にはっきりとしていないため医師と相談しながら、慎重に決めてください。
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