免疫とは

免疫とは

自分以外のものを体内から排除する

わたしたちの体を作っている組織(自己)と、それ以外のもの(非自己)を区別し自分の体でないものを排除することで、自己を守るのが「免疫」の働きです。

免疫には、自然免疫と獲得免疫の2種類の働きがあります。

自然免疫は、非特異的な免疫として考えられ、体内に侵入したウイルス、細菌、かび寄生虫(非自己)に対して、血清や体液中に含まれる補体やリゾチームと呼ばれる特別な酵素たんぱく質(体液性)で、肥満細胞(マスト細胞)、多型核白血球、マクロファージやNK細胞などの細胞(細胞性)が、それぞれ単独でまたは、共同してこれら異物を排除しようとするのが免疫の仕組みです。

自己免疫に対処できないときには、獲得免疫と呼ばれる、別の免疫の仕組みが働きます。
獲得免疫とは、体内に侵入した抗原と呼ばれる侵入物だけを認識するリンパ球が、体の中に存在することで、特異的に行なわれる免疫反応です。一度認識した抗原は、それを認識したリンパ球が体内に存在することで、恒久的に記憶します。

この記憶により、再び同様の抗原の侵入を受けると、その抗原を認識するリンパ球がすぐに活性化され、抗原を排除する免疫(獲得免疫)が動きます。

免疫はわたしたちの体にとって大切な仕組みです。しかし、免疫反応が反対に体に不利に作用することが「アレルギー反応」です。わたしたちの生命を守るしくみの免疫が、体に有利に働く免疫だけでなく不利に働くアレルギーがあります。

アレルギー反応は、4つのタイプ

Ⅰ型アレルギー

アレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹、ハチ毒や抗生物質などによるショックです。
抗原が体内に侵入すると、単時間で反応が見られる、即時型反応と呼ばれています。
肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれるヒスタミンを出す細胞の膜表面のレセプター(受容体)にある特定の抗原と結合したIgEと呼ばれる抗体が結合すると、肥満細胞内の顆粒に貯蔵されていたヒスタミンが遊離され、アレルギー症状が現われます。
ショック状態が強いと死に至ります。

Ⅱ型アレルギー

IgGやIgMと呼ばれる抗体が、細胞膜上あるいは組織上の抗原と結合すると、この抗体に対して、貧食細胞(マクロファージ)などが、攻撃することにより症状が現われます。

Ⅲ型アレルギー

Ⅲ型のアレルギー反応は、細胞膜表面あるいは、組織上の抗原に対して、反応することで生じる反応です。
Ⅲ型のアレルギー反応では、液性の抗原に対して、抗体が結合し、免疫複合体を作ります。
この複合体が体内を流れ、組織に沈着することで誘発される反応です。

Ⅳ型アレルギー

細胞性の免疫反応で。ツベルクリン反応や接触過敏症などの反応です。
抗原とリンパ球の反応で誘発されるアレルギーです。
抗原提示細胞や貧食細胞などと呼ばれる免疫に関与する細胞が関わる反応です。
反応が強く現われるのが、抗原が皮膚に侵入してから、24時間〜48時間なので遅延型過敏反応と呼ばれています。
化粧品の皮膚トラブルで問題になる反応です。

皮膚のアレルギー反応

皮膚に抗原性のある物質が侵入すると、表皮にあるランゲルハンス(抗原提示細胞)に取り込まれます。
抗原を取り込んだランゲルハンス細胞は、リンパ管を通り、特定のリンパ節に移動します。

リンパ節へ移動したランゲルハンス細胞は、細胞膜上に抗原分子の特定の構造を提示します。
提示された特定の抗原構造は、その構造と特定的に反応するTリンパ球と呼ばれるリンパ球(ヘルパーT細胞)により認識されます。

抗原がT細胞によって、特定的に認識されるか、されないか、アレルギーになるかならないかの分かれ目です。

認識するか、しないかは、個人個人異なり、この違いが、同じ物質でも人によりアレルギーを起こすか、起こさないかの差になって現われます。

抗原を認識したT細胞は、インターロイキン(IL-1)と呼ばれる、サイトカインを放出します。
放出されたIL-1によりさらに刺激されたT細胞が、IL-2を含むサイトカインを放出し抗原を認識したT細胞(特定的T細胞)の増殖(クローン増殖)が起こります。

増殖した特定的T細胞は、血管を通って皮膚に移動して感作の成立です。そこで、ふたたび抗原が侵入すると、特定的T細胞が認識することでアレルギー反応(接触性皮膚炎)が誘発されます。