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酸素運搬のしくみ

ガスは血液を介して運ばれる

酸素の流れ

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外界と直接つながっていない細胞が呼吸する、内呼吸を行なうために、酸素や二酸化炭素は
血液を介して全身に運ばれていきます。
酸素の運搬に当たっては、酸素が肺胞から拡散によって血液中に入り、このとき直接、血液中に溶け込める酸素の量は極めて少ないです。
ここで重要な役割を果たしているのが、血液中のヘモグロビンです。
肺胞から血液中に拡散した酸素の大部分は、ヘモグロビンと結合し、酸化ヘモグロビンにかたちを変えて全身に運ばれます。
やがて組織にいたり、酸化ヘモグロビンは、その結合を解して(解離)、もとのヘモグロビンと酸素となり、組織や細胞に酸素を供給するしくみになっています。
ヘモグロビンは赤血球に含まれる血色素で、グロビンというたんぱく質と、鉄を含むヘムからなっています。酸素分子はヘムに含まれる鉄原子と結合します。
よく鉄分の不足が原因で貧血になるといわれますが、これはヘモグロビンに含まれる鉄分が少ないため、酸素との結合が十分に行なわれないからです。
このヘモグロビンと酸素の結合力は、肺胞で強く、組織では弱くなっています。
このことは、酸素をしっかり受け取り、放出すべき場所(組織)では酸素を容易に放すことができることを意味しています。
この結合力の変化は、肺胞と組織における酸素分圧の違いによって起こります。
そのほか、酸素とヘモグロビンの結合力は、温度、二酸化炭素分圧、酸性−アルカリ性の度合い(pH)などによっても影響を受けます。

二酸化炭素の運搬のしくみ

二酸化炭素の運ばれ方

細胞の呼吸によって組織では二酸化炭素が生じます。
二酸化炭素は老廃物として体外に排出されますが、この二酸化炭素も酸素と同じく体内を循環し、血液を介して肺に運ばれ、肺から空気中へと放出されます。
組織で生じた二酸化炭素が血液中に入り込むときに、直接血液中に溶け込める量は極めて少なく、血液中の総二酸化炭素量の5〜7%にしか過ぎません。
したがって、大部分の二酸化炭素は化学結合によってかたちを変えて血液の中を運ばれます。
組織から血液中に拡散した二酸化炭素の大部分は、赤血球に含まれる炭酸脱水酵素という酵素によって水との結合が促進され、炭酸にかたちを変えます。
そして炭酸は、水素イオンと重炭酸塩に分かれて血液中に溶けるようになり、およそ70%に二酸化炭素が、この重炭酸塩のかたちで血液中に含まれています。
一方の水素イオンは、肺から酸素を運んできたヘモグロビンと結合し(還元ヘモグロビン)、血液中を流れていきます。
残りの二酸化炭素は、血液中にカルバミノ化合物というかたちで存在します。
ここでは、二酸化炭素が赤血球内のヘモグロビンやそのほかの血漿たんぱく質のアミノ基と化合物に結合し、カルバミノ化合物という状態となって血液中に溶け込んでいきます。
肺胞内では、体外から取り込まれた酸素が、還元ヘモグロビンやカルバミノ化合物に含まれる
ヘモグロビンと結合するので、重炭酸塩やカルバミノ化合物に含まれている二酸化炭素が放出されやすくなっているのは、組織における呼吸の環境とは正反対です。

呼吸と意識

呼吸の調節機能

呼吸運動は、私たちが生きていくために欠かすことのできない大切な運動です。
吸ったり吐いたりする運動が絶えず繰り返され、生体に必要な酸素を空気中から取り込んでいます。私たちは、普段、この呼吸運動を意識的に、行なっているわけではありません。
日常生活の中で、空気を吸おうとか、吐き出そうとか、あれこれ考えなくても呼吸運動は維持されています。
私たちのからだの中には意識しなくても呼吸運動が自動的に行われるしくみが備わっています。
したがって、例え睡眠中であっても、呼吸運動は止まることがなく、私たちは安心して眠ることができます。
呼吸運動は無意識のうちに絶えず繰り返されているが、吸ったり吐いたりするリズム(速さ)や大きさ(深さ)は、一定ではありません。
呼吸運動は状況に応じてその呼吸数や大きさを変え、換気量も調節しながら生体内の環境は適切な状態にしています。
例えば、体内の酸素が不足したとき、あるいは酸素の必要性が生じたときなどには呼吸運動は自動的に促進されます。
からだのしくみは、単に持続的に呼吸運動を行なわせるだけでなく、生体内外の環境に応じてみ意識のうちに呼吸運動を調節する働きを持っています。
このように、無意識のうちに繰り返されている呼吸運動の主役は横隔膜や肋間筋で、動かそうと思ったときに自分の意思で動かすことをできる(随意筋という)。
これは、水中で溺れそうなときや潜水を行うときに意識的に呼吸を止めたり、言葉を話すときに呼吸のリズムを変えるために重要なことです。
呼吸筋を自分の意思で動かし、呼吸を調整することもできます。