mitokondoria

ミトコンドリアのしくみ

細胞内のミトコンドリアを司る

細胞内でのエネルギー生成工場

生体内の細胞はさまざまな生命活動を行うために、
摂取した栄養素を分解して細胞内でエネルギーを作ります。

細胞のエネルギーのATPは、酸素のない状態で行なわれる
嫌気性代謝過程(解糖)と酸素を利用する、好気性代謝過程を通して生成されています。

これらの代謝は同じ細胞でもそれぞれ異なる場所で行われています。

解糖は細胞質内全体で行なわれますが、
好気性代謝過程は細胞内のミトコンドリアという小器官で主に行なわれます。

ミトコンドリアは長さ0.5ミクロン(μm)ほどの楕円体で、
二重の膜で構成され、外側はなめらかな膜でおおわれ、
内側はクリステルと呼ばれるひだ状の構造になっていて表面積を大きくしています。

内側の膜上には、好気性代謝過程に必要な酵素が含まれ(電子伝達系あるいは呼吸鎖)、
ここで酸素を利用して栄養を分解しながら、多量のATPを生成しています。

このように、ミトコンドリアは酸素を利用してエネルギー産生を行なうことから、
細胞内の実質的な呼吸器官で、細胞内のエネルギー生成工場といわれています。

酸素を利用してミトコンドリア内で生成されるATPの量は、
酸素を使わないでエネルギーを産生する解糖過程に比べるとはるかに多いです。

たとえば、ブドウ糖の代謝では、
解糖過程のおよそ20倍ものATPがミトコンドリア内で生成されています。

このように酸素の供給があるかないかによってエネルギーの生成量は大きく異なります。

解糖系の働き

細胞におけるエネルギー生成

細胞はふつう、グルコース(ブドウ糖)やグリコーゲンと呼ばれる
栄養素を分解しながらATPを生成しています。

その主要な代謝の経路として、まず酸素を利用しない解糖系の代謝過程があり、
このとき酸素が十分に供給されている場合には、クエン酸回路、電子伝達系という、
酸素を利用する新たな代謝過程に進みます。

酸素が十分に供給されている場合には、グルコースはこれらの
3段階(解糖系−クエン酸回路−電子伝達系)を経て分解され、
多量のATPが生成されますが、酸素が不十分な場合には、
解糖の経路のみによってわずかにATPが産生されるに過ぎません。

解糖系の代謝過程で行なわれる場所は、細胞質内で、
酸素を利用しない状態となり、グリセルアルデヒドという糖の一種に分解されます。

グリセルアルデヒドはいくつかの脱水素酵素による反応促進作用によって
ピルビン酸に分解される過程で、ATPが生成されますが、
解糖系において、グルコースから生成されるATPの量がわずかであり、
短時間で使いきってしまうほどの量しか生成されません。

グルコースの分解により生じたピルビン酸は、
酸素の供給が不十分な場合には、乳酸となって体内に疲労物質として蓄積されます。

一方、酸素の供給が十分であれば酸素を利用する次の代謝過程、
すなわちクエン酸回路へと進みます。

クエン酸回路の働き

クエン酸回路に入るまで

酸素の供給が十分なら、
ピルビン酸は酸素を利用してエネルギーを作る過程のクエン酸回路に組み込まれます。

クエン酸回路の代謝過程は細胞内のミトコンドリアのなかで進み、
この回路を一回りする間にピルビン酸は次々と分解され、かたちを変えていきます。

この回路の主要のひとつがクエン酸であることからクエン酸回路と呼ばれ、
あるいはTCA(トリカルボン酸)回路と呼ばれることもあります。

クエン酸回路では、脱炭酸酵素や脱水素酵素と呼ばれる酵素の働きで、
ピルビン酸を分解しながら二酸化炭素と水素が放出されます。

二酸化炭素はそのまま細胞外に放出され、水素は脱水素酵素の補酵素に渡され、
その補酵素と結合したかたちで、次の代謝過程である電子伝達系に送られます。

クエン酸回路ではエネルギーのATPはほとんど産生されません。

クエン酸回路は、まだエネルギーを産生するための準備段階ですが、
ピルビン酸がこのクエン酸回路を一周する間に、
GTP(グアニシン三リン酸)という高エネルギーリン酸に化合物が生成され、
それによってわずかにATPが作られています。

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