ライフステージを意識した栄養のとり方

投稿日: カテゴリー: 栄養のガイドブック

ライフステージを意識した栄養のとり方

目次

妊娠期・授乳期の栄養と食事

●妊娠初期は楽に食べられるものを食べる
妊娠初期には、ホルモンバランスの変化によっては、吐き気が生じたり食欲が落ちたりと、つわりと呼ばれる状態が起こりやすくなりかねません。

この時期は、楽に食べれるもの、食べることができる量だけ食べたほうが良いでしょう。この時期にとりたい栄養素は、葉酸で、胎児の脳神経を作る重要な働きをしてくれます。

厚生労働省では、「妊娠前1ヶ月から妊娠初期3ヵ月まで、1日400μgの葉酸をサプリメントから摂取する」ことが重要としているわけです。

葉酸は体に吸収されづらく、熱に弱い性質を持っているため料理法などによって破壊されてしまうのです。

そんな理由からあえてサプリメントによる摂取が奨励されているようです。

妊娠中を通じて不足することが多い栄養素は、鉄とカルシウムです。そういった栄養素の吸収を良くするということから、ビタミン類を十分に摂取しましょう。

貧血気味を注意されたときは、鉄分を多くとることが不可欠です。

しかし、鶏や豚のレバー、うなぎにおいては鉄のほかにレチノール(動物性のビタミンA)が多く含まれ、週に2回以上食べたら妊娠初期の胎児の発育に障害の原因となる危険性があります。

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妊娠中・後期は体重とむくみに気をつけて

妊娠中・後期になると食欲が戻り、体重が増えやすくなるのですが、体重増加を気にかけて食事を制限し過ぎるのは危険を伴います。

妊娠前の体格が「やせ」「普通」の状態だった女性であれば、妊娠中の体重増加量が7kg未満で低出生体重児を出産してしまうリスクが高くなると考えられています。

短期間のうちに体重が増えるときは、食べ過ぎではなくて、むくみによる可能性も高いです。

母乳を生み出すための食事

授乳期(生後5ヶ月頃まで)の乳児の栄養源は、基本的母乳です。

乳児には、分娩直後、病気に抵抗する免疫を持っていなくて、免疫成分が豊富に含まれる母乳でカバーします。

特に初乳(分娩後4~5日)には免疫グロブリンやラクトフェリンが豊富なですから、積極的に飲ませたいものとなります。

母乳は、母親の血液から作られることもあって、何を食べるかによってその成分も変わってしまいます。

乳児の湿疹などを気にしている人は、脂っこい肉については控え、ご飯や魚を中心にした食事をし、魚に含まれるn-3系の脂肪酸を積極的にとりたいものです。

妊娠中の体重増加はどのぐらいなのだろうか?

BMI(Body Mass Index=体格指数)の値に応じて、「やせ」「普通」「肥満」の判定がされるのです。

その判定のたびに、妊娠期にどのていど体重が増加するというのが一番いいのかが「推奨体重増加量」として指し示されています。

・BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
妊娠前から太りすぎた人は、妊娠初期の高血糖が胎児の発育障害がもたらされることがあるのです(糖尿病合併妊娠)。
主治医とよく相談をしながら栄養指導を受け、体重と血糖値をコントロールしましょう。

BMI 判 定 推奨体重増加量
18.5未満 やせ 9~12kg
18.5以上25未満 普通 7~12kg
25以上 肥満 5kg(目安)

・厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」より

妊娠期・授乳期に必要なエネルギー

1日の摂取カロリーに気をつける。

「妊娠したから2人分食べなきゃ」と言われたのは、とうに昔の話。毎週の体重増加は、0.3~0.5kgにするようにしましょう。

・妊娠初期(妊娠14週未満)  +50kcai/日
・妊娠中期(14~28週未満)  +250kcai/日
・妊娠後期(28週以降)    +450kcal/日
・授乳婦 (離乳が始まるまで)+350kcai/日
※医師の指導に従うこと

つわりの際の食生活のポイント

・食べやすいものを探してください
つわりで食物の嗜好に変化が起こる人もいるかと思ったら特定の食物だけしか受けつけなくなる人もいらっしゃいます。塩分の摂り過ぎに注意し、自分の食べることができるもの、食べやすいものを探してください。

・甘いものもチョットならOKなのです
脂肪や糖分が多くあるものは避け、甘味のある野菜や果物、ヨーグルトなどを活かしましょう。

積極的にとりたい栄養素

・胎児の発育最優先で必要な栄養素を摂る

栄養素 ○の理由 多く含まれる食品
カルシウム 胎児の骨の成分となる 牛乳、乳製品、小魚
赤血球を作る 肉類、魚介類、ほうれん草
葉酸 神経管閉鎖障害を防ぐ 葉物の野菜
ビタミンK 頭蓋内出血を防ぐ 納豆、緑黄色野菜

摂り過ぎに気をつけたい栄養素

・塩分は1日7.0g未満に目標

栄養素し ×の理由 気をつけたい食品
ビタミンA 妊娠初期の過剰摂取は
胎児奇形のリスクがある
鶏や豚のレバー、うなぎ
ナトリウム(塩分) 血圧が上がる 加工食品、塩気の強い調味料

・神経管閉鎖障害
胎児の葉酸欠乏による神経管閉鎖障害は、受胎前から妊婦が葉酸を摂取することによって落とすことができます。アメリカでは受胎前似女性に葉酸を強くした食事を推奨しているのです。

乳幼児期の栄養と食事

乳児については母乳は生きる源、乳幼児とは0~5歳頃に相当します。

最初、栄養源は母乳以外に考えられませんが、離乳が終わって、母乳以外の食物から栄養素をとることになります。

母乳には、乳児の成長に必要不可欠な栄養素が吸収されやすい状態にあります。母乳が出てこない場合もあれば疾患で薬を飲んでいるといった事情で母乳をあげることができない場合も人工乳で栄養は十分取れます。

離乳の目的とは

消化機能が発達し、食物から栄養素を摂取できることとなる生後5、6ヶ月頃を目安に、「離乳」を始めます。

味覚を育てることに関係しています。また、物を噛むことによって、顔周りの筋肉が発達し、脳を刺激します。

離乳のすすめ方

離乳食は、果汁やおもゆ、スープなど液体のものから始めます。

慣れてきたら舌で潰せる硬さのものを食べさせましょう。それから、徐々に回数や量を増やして行くのです。

最初の1ヶ月くらいは、1日1回の離乳の後母乳(人工乳)を欲しがるだけ与えます。様子を見つめつつ、徐々に食事の回数を増やしていくのです。

それに合わせて、母乳を飲む量がごく自然に少なくなっていきます。この時期の発育は個人差が大きいこともあって、5ヶ月になったから、近所の子供が始めたから、ということで離乳を開始するものじゃありません。

無理矢理に離乳を始めると、噛まずに飲み込むクセになってしまう可能性があります。口元の動きをしっかりと観察し、よだれをたくさん出していたり、物欲しそうに口を動かしたりし始めるようになれば、離乳開始のサインです。

・カウプ指数を参考に
乳幼児の発育状態を知るには、カウプ指数が用いられます。
体重(g)÷身長(cm)÷身長(cm)×10=カウプ指数

生後3ヵ月~学童期の子供に対して使われ、成人に達するとBMIによって肥満度を算出します。しかしながら、5歳未満の場合、数値が大きめでも肥満かそうでないのかの判断は難しいので、どちらにせよ目安とします。

発育状態 カウプ指数

|やせすぎ|13未満| 

やせぎみ 13以上~15未満
標準 15以上~19未満
太りぎみ 19以上~22未満
太りすぎ 22以上

食習慣の基礎を身につける

上下合わせて8本の歯が生え揃う1歳~1歳半を目安に、栄養素の補給が母乳から食事に100パーセント移行すると、離乳は終わります。

幼児期の食事は、一生涯の食習慣の基礎を身につける時期ですから、主食・主菜・副菜の揃った食事を心がけたいものです。

また、嗜好が形成される時期ですから、なるべくなら薄味に慣れさせ、色んな食材を食べさせることによって食への興味を持たせるように、工夫するといったことも必要となります。

その日の気分で、ムラ食いが見られることもあるでしょう。空腹な時に食事が行なえるようにしてください。

乳幼児期は3時間置きに1日8回の離乳から、成人と同じ1日3食へと近づけていく時期です。まだ1回に食べる量が少ないことで、2回の間食を加えて5食と理解して、間食も食事と同等のものにしましょう。

食事を間食の間は、2時間以上空けましょう。

乳幼児期の食生活のポイント

・乳汁中心から次第に固形食へ(ペースト状→形を残す)
離乳食は舌で潰せるものから、少しずつ硬さのあるものへ変えていくのです。

・間食も食事と考えて
栄養素の必要量が多い時期です。間食も食事と位置付けて、メニューを工夫してみてください。

・幼児期には大人の食に近づける
基本的にはご家族と同じ時間に食事をしてください。家族揃って食卓を取り囲む習慣をつけたいものです。

乳幼児期に必要なエネルギー

子供の様子を見守って、発達に合わせて必要とされるエネルギー量を維持しましょう。

ですが、発達の個人差が大きな時期ですから、あまり神経質に巻き込まれないために。

男 児 女 児
0~5(月) 550kcal/日 500kcal/日
6~8(月) 650kcai/日 600kcai/日
9~11(月) 700kcai/日 650kcai/日
1~2(歳) 700kcai/日 650kcai/日
3~5(歳) 1,300kcai/日 1,250kcai/日

摂り過ぎに気をつけたい栄養素

リンの摂り過ぎは骨の成長を妨げる

栄養素 ×の理由 気をつけたい食品
リン 骨の成長を妨げる 加工食品
ナトリウム(食塩) 濃い味に慣れてしまう 外食、惣菜

積極的にとりたい栄養素

体を作る栄養素をしっかりとる

栄養素 ○の理由 多く含まれる食品
カルシウム 丈夫な骨を作る 牛乳、乳製品、小魚
赤血球を作る 小魚、海藻など
たんぱく質 体を作る材料になる 魚、卵など

・小児肥満
2歳までの肥満は成人期への移行はわずかですが、2歳以後の肥満は細胞類の増加によって脂肪細胞が大きくなり成人期に移行しやすいもので、特に注意することが必要です。

学童期(小学生)の栄養と食事 規則正しい生活習慣を身につける

・体の発達が著しい時期
学童期(6~11歳頃)は、活動量が多くなるので、体の発達も著しい時期です。個人差はまったく大きく、女子のなかには学童期の終了頃には月経が始める人も姿を見せます。このため鉄の必要量が増加するので、ご注意ください。

・豊かな心の成長のために
大人と同じというような食生活になる時期だったりしますが、この時期の食事は、心の発達や大人になってからの嗜好にだって影響を与えます。何よりも、規則正しい時間にご飯を食べること、家族が揃って食卓を囲むこと、3食忘れることなく食べること、好き嫌いだめなどを、忙しい現代だとしてもできる限り実行することを通じて、子供の豊かな心の成長につながります。

丈夫な体を作る食事 好き嫌いなく食べる工夫を

子供は「食べず嫌い」が多いもんです。新しい食材に興味を持たない子供もたくさんいらっしゃるので、細かく刻んで好物の料理に混ぜ合わせ、味に慣れさせるところから始めてみてください。折にふれて子供と一緒に食事の買い物にお出かけし、食材への興味を持たせるといったことも大事です。

何よりも重要なのはたんぱく質

筋肉や体細胞など、体を作るのにもっとも重要なというのがたんぱく質です。

また、体を支える骨はカルシウムやリンで作られています。このような役割りを機能させることに必要なのが、種種のビタミンやミネラルです。

学童期に必要な1日当たりの摂取エネルギー量は、成人よりも約400~850キロカロリー少ないのですが、骨を作るカルシウムは成人より多く摂ることが必要不可欠です。

赤血球を作るのに必要な鉄は、8歳で成人なんかよりも摂ることが必要とされています。多彩な食材をバランスよく料理に取り入れたほうが良いでしょう。

・給食があるから大丈夫だよ
学校給食は、子供の1日に必要な栄養素の約3分の1を満たすことを意識して考えられていますが、「給食を食べているなら子供の栄養は足りている」と判断するのは間違いなのです。
わかりやすく言うと、残りの3分の2は家庭の食事で摂らなければいけないのです。給食は栄養士を通じてしっかりと考えて作られていますので、家庭で振るう料理の役立たせて見てもよいでしょう。

学童期の食生活のポイント

・規則正しく1日3食食べる
帰宅後、お菓子を食べ過ぎて夕食が食べることができないということが発生しないようにしましょう。

・偏食は治す努力する
嫌いな食材は細かくして好きな料理に混ぜるなどすることで食べさせてください。

・ローレル指数=(体重(kg)÷身長(m)3)×10
最近は全体にやせぎみの子供が増えている他、個人差もあることもあって、この「判定結果」はどちらにせよ目安と考えたほうが良いでしょう。

●発育状態とローレル指数(判定結果)
・やせすぎ:100以下
・やせぎみ:101~115
・標準  :116~144
・太りぎみ:145~159
・太りすぎ:160以上

学童期に必要なエネルギー 体と心と脳が急激に発達する時期

この時期は個人差が大きいこともあって、摂取エネルギー量と消費エネルギー量が同じぐらいとなるようにご注意ください。

「身体活動レベル」とは、日常生活の活動内容と時間に応じて、そのレベルを「低い(Ⅰ)」「普通(Ⅱ)」「高い(Ⅲ)」に分類したもの。

同じ性と年齢でも、身体活動レベルが違うと推定エネルギー必要量に違いがあります。

積極的に摂りたい栄養素 体の細胞を作るたんぱく質をしっかり摂る

栄養素 ○の理由 多く含まれる食品
カルシウム 骨を作る 牛乳、乳製品
赤血球を作る レバー、ほうれん草
ビタミンB群 骨を作る手助けをする レバー、青背の魚
たんぱく質 体を作る 赤身の肉、魚、卵、大豆製品

摂り過ぎに気をつけたい栄養素

栄養素 ×の理由 気をつけたい食品
糖質 肥満につながる ジュース、お菓子
脂質 肥満、生活習慣病につながる 赤身の肉、スナック菓子、惣菜(揚げ物)、洋食
ナトリウム(食塩) 濃い味に慣れてしまう 外食、加工食品

・小児メタボリック症候群
腹囲(cm)÷身長(cm)の値が、0.5以上または腹囲が75cm(中学生は80cm)以上で、脂質異常や高血圧、高血糖のうち2項目以上に該当する場合です。

思春期(中・高校生)の栄養と食事 エネルギーの必要な量がピークに

思春期(12~17歳頃)は、成長期でもありながら人によって、身体がほとんど出来上がる時期に当てはまる。

第二次性徴のため、男女の性差が大きくなり、エネルギーだけではなく、ビタミン類、カルシウム、鉄といったミネラル類の必要量は、男女とも人生においてピークというわけです。

骨量も20歳までに最大となってしまうので、この時期の食事のとり方が骨を作ることに大きく関係し、一生の健康を決定づけるといっても言い過ぎとは言えません。

しっかり食べて、しっかり運動することが必要不可欠です。

食生活が乱れやすく 欠食や偏食が多くなる

部活動や塾通いなんかで、ライフスタイルでも大きな変化が生じるこの時期、家族と別々に食事を摂る機会が増えてきます。

そういう理由で、何を食べるか自分で食事を選ぶ機会が多くなりますが、このタイミングでさまざまな問題が発生します。欠食(特に朝食)や好きなものだけしか食べない偏食ばかりか、お菓子を食事代わりにしてみたり、ダイエットが原因で食事を抜いたりするということがあります。

・食事の重要性をきちんと理解する
こうした問題は、親の目の届く範囲で食事していた学童期からでは、大きな変化です。今、食べているものが、自分の体を作るという事をきちんと理解させ、意識的に自分自身の食事を考えられるよう教えることが必要です。

・若い世代のやせすぎは大問題
日本女性は世界規模で見ても痩せている人が多いというのに、ダイエット志向が強いとささやかれています。その始まりは思春期となっています。
極端な痩せ願望による必要性がないダイエットは、栄養不足を発生させ、貧血やめまい、体力低下が引き起こされます。しかも身体への害は無月経の可能性もあります。
女性は痩せすぎだと不妊になることが多く、妊娠しても難産になることもあります。健やかな赤ちゃんを産むことを願うなら、無理があるダイエットは厳禁です。

思春期の食生活のポイント

・よく食べ、よく動く
思春期は積極的に十分な運動をし、たくさん食べることが大切になります。

・規則正しく1日3食食事する
塾や部活動などがあったとしても、ご飯を食べる時間が不規則が起きない工夫を忘れてはいけません。

・お菓子を食事にしない
ダイエットを行っているからといって、お菓子を食べて食事を摂らないことは本末転倒です。

思春期に必要なエネルギー

必要に応じて間食でのエネルギー補給を。

運動系の部活動を行っているかいないかによって、個人差は見られますが、エネルギーを栄養素の補給が大切です。

学生(現代っ子の食事情)ともなれば、塾通いのために満足な食事が取れなかったり、部活動で夜遅い食事になったり、一人でご飯を食べる子供は自分自身で食事を決めることなどできません。

大人がバランスの良い献立に応じて料理を作り、しっかりと食べさせなければいけないのです。家庭の食事の食べ方は、その子の将来に向けた家庭の食事にまでダイレクトに影響すると考えるべきです。

積極的に摂りたい栄養素 骨を作るカルシウムを意識して摂取

栄養素 ○の理由 多く含まれる食品
カルシウム 骨を作る 牛乳、乳製品、小魚
赤血球を作る レバー、魚介類
ビタミンB群 疲労回復 赤身の肉、青背の魚
たんぱく質 体を作る 赤身の肉、魚、卵、大豆製品

摂り過ぎに気をつけたい栄養素 インスタント食品は控えめに

栄養素 ×の理由 気をつけたい食品
糖質 肥満になりやすい お菓子、ジュース
脂質 肥満になりやすい 脂身の肉、惣菜(揚げ物)
ナトリウム(塩分) 濃い味に慣れてしまう スナック菓子、外食、インスタント食品

・鉄欠乏性貧血
思春期の女性については、月経過多などによる出血や急激な成長に左右される鉄の需要増加から比較的高頻度に鉄欠乏性貧血が見受けられます。吸収率の高いヘム鉄(動物性食品、赤身肉)の摂取を心がけたほうがいいでしょう。

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