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ストレスと呼吸の関係

ストレスホルモンの影響

ホルモンによる呼吸の調節

環境や目的に応じて生体内を適切な状態に
調節しているのは自律神経の他にホルモンの働きがあります。

自律神経との違いは、神経ではなく血液を介して全身の気管や臓器に情報が送られます。

このホルモンもまた呼吸運動を調節することがいろいろな医学的な実験で認められてきています。

ストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)

生体がさまざまなストレスにさらされたときに脳内から分泌されるホルモンで、
生体内の血糖値を高めたり、血圧、血液量も維持したり、炎症を抑えたりしています。

また、免疫反応にも影響を与えています。

私たちはストレスを受けたとき、例えば、危険や不安を感じたり、
事故にあったときには、興奮して呼吸が荒くなったりすることがあります。

このようなときの呼吸の変化には、CRFが関係していることが考えられます。

CRF=ストレスホルモンの作用

ストレスに対抗して体を守る役割

[check]血糖値増加
[check]血圧上昇
[check]炎症を抑える
[check]免疫反応

甲状腺ホルモンと呼吸

生体では、呼吸によって酸素を体内に取り込みながら、
エネルギー代謝と密接に関連しているホルモンが甲状腺です。

甲状腺は内分泌腺(臓器)のひとつで、気管の前面に両側に広がって存在して、
脳内の下垂体といわれる場所から放出される甲状腺刺激ホルモンによって、
甲状腺が刺激されると、甲状腺ホルモンが分泌されます。

甲状腺ホルモンは、
主として細胞でのエネルギー代謝やたんぱく質の合成を促進するように作用します。

エネルギー代謝を効率よく行うために、
甲状腺ホルモンは細胞でのエネルギー代謝だけでなく、
呼吸運動そのものにも影響してると考えられ、
通常、組織でのエネルギー代謝が増加すれば酸素の消費量も
増加するので、呼吸運動にも変化が引き起こされます。

運動しているときや寒い環境にからだがさらされたときには、
エネルギー代謝が進み、同時に呼吸は速くなり、換気の促進が見られます。

このとき、組織のエネルギー代謝を高めるように甲状腺ホルモンの分泌量も増加します。

日常生活では、通常、昼と夜でエネルギーの代謝量が変化することから、
睡眠や覚醒に関連した呼吸運動にも甲状腺ホルモンが影響している可能性があります。

抗利尿ホルモンと呼吸

長時間の運動を行なっているときや高温環境下で作業をしているときなどには、
脱水症状が引き起こされ、それにともない呼吸運動が抑制されることがあります。

脱水症状など生体内の水分量に関連するホルモンとしてあげられるのが、
バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)です。

バゾプレッシンは、生体内の水分や電解質のバランスを調節しているホルモンです。

体内の水分量が減少したり、電解質が不足してくると、脳の下垂体から
この抗利尿ホルモンが分泌され、尿の排泄量が抑制されるしくみになっています。

抗利尿ホルモンの分泌量は、体内水分の減少だけではなく
精神的緊張、痛み、運動、暑熱、たばこ、睡眠においても増加するといわれています。

このような状況においては無意識のうちに呼吸は抑制されている可能性があります。

さらに、血液中の二酸化炭素の増加や酸素の低下によっても抗利尿ホルモンが分泌されます。

このときのホルモン分泌は化学受容器(センサー)を介する反応です。

通常、酸素の低下による化学受容器の刺激は換気の亢進を引き起こすのが、
比較的長い時間、低酸素状態にすると呼吸の抑制反応が行なわれています。

このことから、抗利尿ホルモンは慢性的な状態に対する
呼吸の調節に関わっている可能性が高いと考えられます。

性ホルモンと呼吸

性ホルモンは、脳の下垂体から放出される性腺刺激性ホルモンの作用によって、
生殖器から男性ホルモンあるいは女性ホルモンとして分泌され、
性ホルモンの重要な役割は、性機能の調節ですが、呼吸運動にも影響します。

女性ホルモンは、性周期を調節したり、
妊娠状態を維持したりするために働くホルモンです。

女性ホルモンには、
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。

これらの女性ホルモンがに影響することは、妊娠時の呼吸反応からも明らかで、
妊娠しているときには、通常に比べて換気量が増加して、
また、酸素の低下に対する感受性も高まります。

このような呼吸運動の変化は、化学受容器の感受性が
女性ホルモンの作用によって変化しているためと考えられています。

男性ホルモン、テストステロンは主として、
男性生殖器の発育と性機能に作用し、たんぱく質の合成にも関与しています。

このテストステロンを注射器で血液中に投与すると、
妊娠時の女性と同様、換気量の増加と低酸素刺激に対する感受性の高まりが認められます。

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