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運動の激しさと呼吸

運動は呼吸の速さと深さを増大させる

運動時には筋活動が活発になり、多くのエネルギーが必要です。

筋肉の活動量が増大すれば、
それに応じて更なるエネルギーが必要となり、酸素の消費量も増加します。

そうした筋活動の増加に応じて、呼吸機能はその働きを強めます。

一般成人では、安静時の呼吸数は14~18回/分、
1回換気量は300~500ミリリットルで、1分間換気量(毎分換気量)はおよそ6~8リットル。

運動中の毎分換気量は単位時間当たりの運動量(運動強度という)の増大に伴ない増加します。

たとえば、歩行動作では、
歩行速度が上がると呼吸運動が強くなることは私たち自身よく経験します。

さらに、疲労困憊するような運動では、
毎分換気量は安静時のおよそ10倍の100リットルにまで達します。

このような運動時には、
呼吸の速さ(呼吸数)と呼吸の深さ(1回の換気量)の両方を増やして換気量を増大させています。

運動時の換気量は、ある程度までは運動強度に比例して増加しますが、
さらに運動の強度を上げていくと、
この比例関係が崩れて急激に換気量が増大することがあります。

このとき、血液中の乳酸の運動が急に上昇していることが知られています。

この乳酸の増加はエネルギー産生の過程において
酸素が不足しているときに起こる反応です。

つまり、エネルギー産生のための酸素の供給が重要に遅れ始めたことを示しています。

このような、高い運動強度では酸素の供給が不十分な状態になり、
その酸素不足を補うために急激な換気量の増加が起こるといいます。

この換気量の増加反応には血液中の乳酸の増加が関与していると考えられています。

酸素摂取量のしくみ

最大酸素摂取量とは

ジョギングや水泳などの持久性運動を行うためのエネルギーは、
十分な酸素を体内に取り込むことによって産生されていて、
これらの持久性運動を長く、楽に続けるためには、
体内に酸素を取り込む能力が高い方が有利と考えられます。

安静時において体内に取り込んでいる酸素の量(酸素摂取量)は、
1分間当たりおよそ200~300ミリリットルです。

運動を行うと酸素摂取量は増加します。

通常のジョギング程度の運動であれば酸素摂取量は運動開始後、
徐々に増加し4~5分で一定水準を保つ(定常状態)。

この定常状態が維持されているときには
酸素の需要と供給のバランスは保たれ、安定して運動が長く続けられる状態です。

運動強度と酸素摂取量は比例関係にあり、
運動強度が高くなるとそれに応じて酸素摂取量も増加しますが、
やがてそれ以上運動強度を強くしても酸素摂取量の増加が見られなくなり、
このときの酸素摂取量を最大酸素摂取量といいます。

一般成人の最大酸素摂取量は1分間当たりおよそ2~3リットルで、
一流のスポーツ選手では5~6リットルに達すると言われています。

最大酸素摂取量に関与する要因としては、換気機能、心臓のポンプ機能、
ガス交換機能が上げられ、酸素の運搬に関連するすべての機能が
最大限に活動した結果得られたものが、最大酸素摂取量です。

このように最大酸素摂取量は、酸素の取り込み、
運搬、利用の過程をすべて含んだ酸素の取り込み能力を表していて、
全身の持久力を評価する有効な指標であるといえます。

運動時のエネルギー源は何?

運動をする際の筋活動に必要なエネルギーは、
主に糖質と脂肪の代謝によって作り出されています。

運動時には、この糖質と脂質のどちらがより多くエネルギー源として利用されているのか?

そのおよそのところは、運動中の酸素摂取量と二酸化炭素排出量によって分かります。

もし運動時のエネルギー源が糖質だけでまかなわれているなら、
糖質(グルコース)の代謝過程においては、
取り込む酸素と排出される二酸化炭素の割合は1:1です。

すなわち容積比は1です。

この数値は、呼吸商(RQ)と呼ばれ、栄養素(エネルギー源)によって異なり、
RQ=二酸化酸素排出量/酸素摂取量の式で算出されます。

脂肪のみが代謝される場合、RQはおよそ0.7で、糖質に比べ多くの酸素が必要です。

たんぱく質のみが代謝される場合のRQはほぼ0.8ですが、
たんぱく質がエネルギー源として用いられることはほとんどありません。

運動時に真っ先に動員されるのは、糖質でその重要な貯蔵場所は、
血液中のグルコースと筋肉中のグリコーゲン、
さらに肝臓に貯えられているグリコーゲンが分解され血液中に補充されます。

運動時が長時間続けられると脂肪をエネルギー源として動員され、
脂肪は皮下などの脂肪組織に貯えられていて、必要に応じて分解され、
血液中に脂肪酸として放出され、
細胞内に取り込まれて大量のエネルギーを作るために利用されます。

一般には激しい運動や短時間の運動では主として糖質が利用され、
軽・中程度の持久性運動では脂質と糖質が利用されます。

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