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運動のリズムと呼吸

リズムカルな運動と呼吸

動的な運動の場合

呼吸の基本的なリズムは延髄の呼吸中枢で作られていますが、
この呼吸リズムはさまざまな刺激や生体内外の環境によって変化します。

たとえば、気温や体温、姿勢、筋活動、精神状態などによって呼吸のリズムは変わります。

運動時には、自然に換気量の増加が
引き起こされるとき、呼吸のリズムにも変化が見られます。

これは皮膚や筋肉、呼吸器官、血液成分などからの情報、
あるいは大脳皮質や視床下部における脳内の神経活動によって、
呼吸リズムに影響が及ぶといわれます。

私たちが動的な運動を行なう場合、呼吸が運動のリズムに引き込まれることがあります。

たとえば、ランニングを行なっているときの呼吸のリズムは、
特に意識をしていないにもかかわらず規則的であることが多く、
走るリズムに合わせて、
吸う-吐くの2拍だったり、吸う-吸う-吐くの3拍子になったりします。

このような現象は、リズミカルな運動、歩行、
走行、サイクリング、ボート漕ぎなどの動的な運動において現われやすいです。

運動のリズムに合わせて、呼吸を行なうことによって、
運動がスムーズに出来るようになり、呼吸の運動効率を高める効果があるため、
無駄なエネルギーを使うことなく運動を行うことができ、このことは、
運動維持の呼吸に対する努力感、息が上手く吸えないといった
息苦しさの感じや呼吸筋そのものの疲労感が軽減するために役立つといわれています。

ゆっくりした運動と呼吸

静的な運動の場合

運動には歩行やジョギングのようにテンポよく行なわれるものばかりではなく、
ゆっくりとした動きで行なわれる弓道、太極拳、ヨーガ、座禅などが
あり、これらのゆっくりとした運動の動作においても動的な運動の場合と同様、
呼吸のリズムは適切に調節されていることが多いです。

ゆっくりとした静かな動作を行なうときの呼吸には、
筋活動に必要なエネルギーを供給するという目的と、
動作の調整、集中力の向上、落ち着いた気分などを作り出すために
重要な役割を果たし、弓道では的に向かい矢を放つまでの一連の間に、
それぞれの動作に合わせるようにゆっくりとした呼吸のリズムが見られます。

弓を十分に引き、的を射る瞬間の呼吸は重要であり、
もし呼吸が乱れるようなことがあると、思うように矢を飛ばすことが出来ません。

呼吸のパターンによって姿勢を維持して、
矢を放つタイミングをはかり、的への集中力を高めているといえます。

ヨーガや座禅においては、その開始とともに、
息をゆっくり吐き続けるような呼吸をメインにして、呼吸数を意識的に減らしています。

この場合、かなり意識的に呼吸のリズムを変えているといえ、
このようにゆっくりと深い呼吸を意識的に、
行なうことによって、脳はα波が増加し、心拍数は安定するといわれています。

静的運動に起こるこのリズムは、
頭の爽快感をもたらし、自律神経の動揺を少なくする作用を持っています。

呼吸を止めるとどうなる?

呼吸を意識的に止める

私たちは通常の生活で呼吸を意識することはほとんどありませんが、
呼吸運動は延髄の呼吸中枢でコントロールされ、
身体運動や精神状態などによって
影響を受けるものの、その活動はやむことなく、死ぬまで繰り返されます。

一方、私たちは意識的に呼吸を止めることも出来ます。

この場合の呼吸停止は、必要に応じて呼吸を止める能力が、
からだの仕組みとして備わっていることを示しています。

無意識のうちに呼吸がほどほど(あるいは完全に)停止する場合としては、
重い荷物を持ち上げるときのような瞬発的な運動や弓や射撃での撃つ(射る)瞬間、
あるいは食事中に食べ物を飲み込む瞬間などがあります。

しかし、海女さんが貝や魚を獲る場合やシンクロナイズドスイミングなどにおいては、
かなり長時間呼吸を止めることが要求され、このときは意識的に息こらえが行われています。

息こらえはどのくらいの時間可能なのか?

その時間にはもちろん限界があります。

動脈血中の二酸化炭素の増加、酸素量の低下の割合などによって決まるといわれ、
息こらえの前に100パーセントの酸素を吸っておいたり、
深呼吸をして肺胞内の二酸化炭素を排出しておくと息こらえの時間が長くなりますが、
深呼吸をやり過ぎると体内の二酸化炭素量が極端に減少します。

そうすると、息こらえ中は酸素が低下しているのに、
二酸化炭素による呼吸亢進の仕組みが、働かなくなり、
呼吸が再開されず、そのまま意識を失う可能性があります。

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